ラジオと未来のこと

 

ここまで学んできた君たちに、最後に伝えておきたいことがあるので聞いてほしい。

 

君と君の周りのお友達やいろいろな大人の人が力をあわせて、君たちの自身のラジオ放送局「キッズ・ラジスタ」を作るとすれば、君はまず何をするだろう? 誰に声をかけて、どんな役割を担ってもらうのだろう? 君が住む地域のどんなことをどんなふうに伝えるのがいいだろうか? それを地域のたくさんの人が耳を傾けたくなるようにうまく伝えるにはどんな技術を身につけておくことが必要だろうか? ……

 

ラジオはテレビやインターネットよりもかなり前に誕生(たんじょう)したから、確かに「古い」技術と言える。でもラジオでないとできない役割があって、それがこれからますます大切になっていくと思う。たとえば、君は、「テレビに登場する人はだいたいいつも5~10人くらいはいることが多いけれど、ラジオは1~2人くらいだ」ということに気づいているだろうか。ラジオでは、まるで1対1で自分に直接語りかけてくる感じが強くなって、語り手の性格や考え方がよく伝わってくる。だから、知らず知らずのうちにその語り手のことが好きになって、気にいるとずっと聴いていたくなったりする。つまりラジオは人を知ることができるということでは、もっとも効果的(こうかてき)なメディアと言える。

 

電波という、1箇所(かしょ)から発信されたものがまるで目に見えない大きな大きな噴水のように周りを一瞬にして包んでしまうふしぎなしくみ。そのしくみを使って、電波に包まれた地域の人々がゆるやかにつながることができる。ラジオはそれを、とても簡単に、しかもものすごく大きなお金もかけずに実現できるものだ。君たちはこの「キッズ・ラジスタ」で、災害が起こった時には、いろいろ地域で「臨時災害放送局」が立ち上がって、地域の人々に必要な情報をうまく的確(てきかく)に伝えるのに大きな力を発揮(はっき)してきたことを学んだね。災害の時以外にも、地域の人々のつながりをつくり、皆がよりよく、より楽しく暮らしていけるようにするために、ラジオにできることはたくさんあるはずだ。ラジオには大きな可能性があることを心に刻んでおこう。

 

まずは、君たちの地元のコミュニティFMのことを、君たち自身でいろいろ知ってほしい。そしてり、この「キッズ・ラジスタ」で学んださまざまな知識や技を生かして、地域の役に立ちそうな面白い提案を考えてみてほしい。

 

ラジオはきっと君の出番を待っている。君の活躍(かつやく)を期待している。