

コミュニティFMについて
●コミュニティFMとは
コミュニティFMとは、市区町村単位(しくちょうそんたんい)の規模(きぼ)の小さなFMラジオ放送のことで、その特徴(とくちょう)をいかして、地域の情報(じょうほう)はもちろん、ご当地ソングや方言、文化を紹介したり、地域の人が番組にゲスト出演したり、場合によっては番組を持つこともあるよ。



日本最南端(さいなんたん)・最西端(さいせいたん)にあるコミュニティFM、「FMいしがきサンサンラジオ(沖縄県石垣島《おきなわけんいしがきじま》)」のスタジオ。
また、コミュニティFMが地域のイベントを作ったり、それを生中継したり、企業(きぎょう)や団体、住民をつなぐ役割もはたしていて、まさに地域密着型(ちいきみっちゃくがた)の放送局なんだ。
さらに、災害が発生した場合、緊急放送(きんきゅうほうそう)をして情報(じょうほう)を提供(ていきょう)したり、放送局によっては市区町村(しくちょうそん)の防災無線(ぼうさいむせん)がなると同時にラジオ放送中に災害情報(さいがいじょうほう)を流す「自動緊急割り込み装置(じどうわりこみそうち)」を使ってスピーディーな情報(じょうほう)を出しているところもある。災害が多い日本にはなくてはならないラジオともいえるね。



ちなみに、放送局を開局するには総務省(そうむしょう)の無線局免許(むせんきょくめんきょ)が必要なんだ。コミュニティFMは1992年に国が認可(にんか)するしくみを作ったことによって、開局できるようになった。
2019年の2月の時点では全国各地に325局、開局しているよ。



全国にどのようなコミュニティFM局があるかは、「JCBA 日本コミュニティ放送協会」のホームページに
【コミュニティ放送局一覧】
https://www.jcba.jp/map/index.html
があるので、のぞいてみてね。
このJCBAのホームページには、コミュニティFMの歴史についてもくわしく紹介しているので、興味(きょうみ)のある人は読んでみて。
【10年史 未来に広がる地域の情報ステーション 1994-2004】



●臨時災害放送局(りんじさいがいほうそうきょく)とは
臨時災害放送局(りんじさいがいほうそうきょく)という放送局もある。これは、大きな災害が発生した非常時(ひじょうじ)、被害(ひがい)をなるべく小さくすることを目的として、総務省(そうむしょう)が認可(にんか)した地域限定(ちいきげんてい)の生活情報(せいかつじょうほう)や支援情報(しえんじょうほう)などを伝えるために開局する、さらに小さな地域向(ちいきむけ)けの放送局のこと。
1995年1月に発生した阪神・淡路大震災発生後(はんしん・あわじだいしんさいはっせいご)に、兵庫県から「災害情報専用(さいがいじょうほうせんよう)の放送局を立ち上げたい」という要望(ようぼう)があったことがきっかけで出来た。これが、災害発生時(さいがいはっせいじ)に自治体(じちたい)が臨時(りんじ)で開設(かいせつ)するFMラジオ局である「臨時災害放送局(りんじさいがいほうそうきょく)」の制度(せいど)なんだ。



阪神・淡路大震災(はんしん・あわじだいしんさい)の直後(ちょくご)、すぐに立ち上がった兵庫県神戸市長田区(ひょうごけんこうべしながたく)の「FMわいわい」。
外国人が多い地域(ちいき)で、いち早く、外国語対応(がいこくごたいおう)をした局。当時の共同代表(きょうどうだいひょう)の日比野純一(ひびのじゅんいち)さんは、現在インドネシアなどでラジオ局の設立(せつりつ)、運営(うんえい)などの指導(しどう)をしている。(撮影:2004年)
東日本大震災では29局が開局されて、家族や友達が無事(ぶじ)なのかを伝える安否情報(あんぴじょうほう)、次々とやってくる余震(よしん)についての情報(じょうほう)、避難所(ひなんじょ)・炊き出し・給水所の場所や時間など「今日、生きる」ための情報が放送されてとても役に立った。時には音楽をながして不安な気持ちをなぐさめたり元気付けたりする役割もあったんだ。
臨時災害放送局(りんじさいがいほうそうきょく)は、被災(ひさい)した自治体(じちたい)が免許(めんきょ)を総務省(そうむしょう)に出す形で開局する場合と、もともとあるコミュニティFM局が、臨時(りんじ)に災害放送局(さいがいほうそうきょく)としての役目を自治体(じちたい)からの依頼(いらい)を受けてになう場合の、二つの場合がある。
ちなみに東日本大震災で立ち上がった29局のうち10局は、もともとあったコミュニティFMが臨時災害放送局(りんじさいがいほうそうきょく)になったケースだったんだ。

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臨時災害放送局(りんじさいがいほうそうきょく)は復旧(ふっきゅう)、復興(ふっこう)が進み、緊急(きんきゅう)の情報(じょうほう)を提供(ていきょう)する必要が少なくなると、閉局(へいきょく)をするんだけれど、中にはコミュニティFMに移行(いこう)して放送を続ける局もある。
災害発生後(さいがいはっせいじ)、被災地(ひさいち)では停電(ていでん)が発生する場合があるので、テレビが見られないことも多く、「電池式携帯(でんちしきけいたい)ラジオだけがたよりだった」と言う人は少なくなかった。みんなの住んでいるところでも、大きな災害(さいがい)が発生した後は臨時災害放送局(りんじさいがいほうそうきょく)が開局するかもしれない。だから、ラジオのことを知っておいて、どんどん活用してほしいね。



【「東日本大震災」に伴う臨時災害放送局の開設状況】(総務省の資料より)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000417345.pdf
臨災局のことを取り上げたテレビドラマに『ラジオ』(2013年3月26日にNHK総合テレビジョンで放送された特集ドラマ、現在はDVDで販売されている)という作品があります。感動的なドラマです。興味のある人は観てみましょう。
