ラジオ番組での話し方2

 

チャプター5「ボク、ワタシの番組を作っちゃお」では番組作りで重要(じゅうよう)な企画書作(きかくしょづくり)りを学んだよね。

 

チャプター6ではリスナーに届きやすい進行や話し方、また、スタジオに来たゲストとの打ち合わせやしゃべり方について勉強してみよう。

 

※レポート(レポーター)のやり方は チャプター8へGO!

 

●音だけで伝えるのがラジオ

 

ラジオは電波を介(かい)して声、言葉、BGM、時には周りの雑音(ざつおん)などを含めた、「音だけで相手に伝えるメディア」。テレビやネット動画と違って写真や映像、テロップなどの目から入ってくる情報(じょうほう)は全て音で伝えなければならないんだ。

 

例えば「桜が咲いてますねー」と言っても「どこ?」「何本?」「天気は?」「日中?夜?」という状況がわからない。それを「音」で伝えるには「わかりやすく伝える」工夫がいるんだ。

 

ここでは、番組のコーナーなどを例にして、紹介したい人や教えたいことなどがうまく伝わる様なしゃべり方、進め方を教えちゃいます。

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いよいよ、スタジオで話す時がやってきたぞーっ!張り切っていこう!

 

●番組のオープニングでは3つの音をうまく使おう

 

オープニングは、リスナーに「聴こう!」という気持ちになってもらうためにも大切な部分。いわば番組の「顔」だ。

 

テレビであればタイトルのテロップや出演者の顔、スタジオのセットが目から飛び込んでくるけれど、ラジオではそれらを音で表現しなければならない。それらの表現に使う音は、番組名をはっきり伝える「タイトルコール」、番組のイメージに合った「テーマ音楽」、そして、話し手の人柄(ひとがら)を表現する「オープニングトーク」の3つ。

 

この3つを使ってさっそく、番組のオープニングを考えてみよう!

 

 

●テーマ音楽とタイトルコール

 

テーマ音楽はテレビで言うスタジオのセットみたいな役割で、番組の雰囲気(ふんいき)を作っている。例えば、朝の情報(じょうほう)番組であればさわやかではぎれのいい曲、お昼のバラエティであれば楽しげな曲、夜の音楽番組であればカッコイイ曲など特徴(とくちょう)のあるテーマ音楽を流す。リスナーもそれを聴くことで気分が切り替わるんだ。

 

タイトルコールは番組名をはっきり伝え、さらに、番組の雰囲気(ふんいき)を表現するもの。テレビのタイトルの文字には番組に合わせて「かわいい」、「シュッとしている」、「ビヨ~ンとしている」、「筆でいきおいよく書いた」など様々なデザインがあるでしょ。それらの文字の感じを「声」の強弱、高さ、スピードなどを使って、番組タイトルを声で表現するんだ。

 

例えば「低音だけどスピード感があるタイトルコール」だとスタイリッシュな番組、「大人の女性がゆったり」だとくつろいだ雰囲気(ふんいき)の番組になる。そこにテーマ音楽を組み合わせることで番組全体のイメージが伝えられるよ。

 

タイトルコールの発声は、普段の生活でも練習できる。今度、友達や先生にあいさつをする時、「さわやかでいこう」とか「落ち着いた感じでいこう」など意識(いしき)してみて。君の印象(いんしょう)がずいぶん違ってくるはずだよ。

 

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マイクに近づきすぎないように!ヘッドフォンをかけるのは、マイクに息がかかって「ブオッ」とならないようにするためでもあるんだ

 

1.オープニングトーク

 

自己紹介と番組紹介をするのがオープニングトーク。本の目次みたいな役割をするよ。本の内容にもよるけど、目次を見ると、作者がどんな人でどんな項目が書いてあるかがわかるよね。ラジオでは、オープニングトークで、喋り手がちょっとした話題を喋ることによってその人の「雰囲気(ふんいき)」「性格」などを伝えたり、どんなことを取り上げる番組なのかを簡単に説明しておくんだ。

 

いくつか例をあげてみよう。

 

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Aさん

「おはようございます。司会の●●です。今朝、乗った電車がたまたま新しいタイプの車輌だったんですが、やっぱり静かなんですねえ!」

……メインの司会者、身近な話題に関心がある、鉄道が好き、音に敏感(びんかん)

 

Bさん

「おはようございます!アシスタントの●●子です!今日の朝食はホットケーキ3枚とミルク2杯!朝から満腹でーす」

……アシスタント担当、女性、食べることに関心がある。ちょっとドジだけど憎めない。

 

Cさん

「イエーッ!グッモーニン!!今日の音楽コーナーを担当する●●ですっ。昨日、リリースになった●●の新しいアルバム、さっそく聴きました!んもー、しょっぱなからテンション、上がりっぱなし。でも、ラストの曲には泣かせられましたねーっ」

……音楽コーナー担当、音楽に詳しい、最新の音楽情報(じょうほう)を追っている、喜怒哀楽(きどあいらく)がハッキリしている

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なにげなくしゃべっているようだけれど、ずいぶんたくさんのことが伝わってくるのがわかったかな。ポイントは短い時間で短い言葉にまとめること。

ちなみに、こんな風にしゃべることを意識してみるだけで、みんなの苦手な「自己紹介」がとってもやりやすくなるよ。クラス替えがあった時や新しいお友達と出会った時に、試してみてね。

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君は担当になってみたい?音楽、スポーツ、映画など、こだわりや好きなことを頭に浮かべてみよう

 

●天気予報、ニュース、曲の紹介

 

天気予報やニュースなどの「公共性(こうきょうせい)の高い情報(じょうほう)」は、個人の感情(かんじょう)で雰囲気(ふんいき)を左右しないことがのぞましいんだ。だから、感情移入(かんじょういにゅう)せずに、落ち着いて間違えずに読むことを求められるよ。どんな雰囲気(ふんいき)で読むのがいいか、ニュースのアナウンサーを参考にしてみよう。

 

●天気予報

 

例えば、「雨が降るでしょう」という予報を読む場合を考えてみよう。ある人は雨が降ると面倒でいやかもしれないけれど、別の誰かは雨が降るとうれしいかもしれない(農家の人とかね)。だから、悲しい感じでもうれしい感じでもない、中立的(ちゅうりつてき)な立場(たちば)で読んでほしい。でも、「今夜は雨が降るでしょう」と読んだ後に、「朝晴れていてもカサをお持ちください」と気がきいた一言を付け加えるなどのコメントを工夫すると、聴いている人にとってはさらに役にたつし、読み手の人柄(ひとがら)も表現できるね。

 

また、大きな災害になる危険性がある気象状況(きしょうじょうきょう)や、災害が起きた時などは、強いトーンでしっかりと伝えてね。「危ないから避難(ひなん)しよう」とか「危ないから対策(たいさく)をしよう」と思ってもらうこともテクニックの一つなんだ。

 

2.ニュース

 

固有名詞(こゆうめいし)が出てくることも多いので、地名や人名・漢字の読み方をあらかじめ調べたり、数字の単位を確認しておくことも大事。それから、発音のアクセントにも気をつけたいね。例えば「はし」と聞いて、「橋」なのか「箸(はし)」なのか、アクセントを間違えてしまうと伝わらないよね。ニュースの内容を読み間違えたりすることによって、思わぬところで傷つく人がいる可能性があるので、くれぐれも慎重(しんちょう)にていねいに読もう。

 

3.曲の紹介

 

曲を流す前後にアーティストの名前と曲のタイトルを紹介しよう。紹介は「●●さんの●●(と言う曲)です」とシンプルでOK。曲の後にもう一度紹介する場合もある。と言うのは、ラジオを聴いていて、曲のタイトルなどを聞き逃したけれど「あれっ?すごくいい曲。誰のなんていう曲だろう?」と思ったとしたら、あらためて紹介してもらえると嬉しいでしょ?この時も読み間違いなどしないように事前のチェックを忘れずに。

 

もうひとつ、曲を聴いている間に番組宛(あ)てのメールを書いてくれるリスナーもいるので、曲の紹介前などに番組のメールアドレスを紹介しておくのもいいよ。

 

●間違えた時は……

 

間違いは自分で気づく場合もあるけれど、スタッフやリスナーに指摘(してき)されて気が付く場合もある。いずれにしても、まず、落ち着いて状況(じょうきょう)を把握(はあく)した後、素直(すなお)にあやまって間違いをただすこと。放送中、楽しい話題でちょっと笑っちゃうような雰囲気(ふんいき)だったとしても、あやまる時は普段(ふだん)の生活とおなじく、ふざけずに誠意(せいい)をもってきちんと丁寧(ていねい)にお詫(わ)びしよう。

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吹奏楽の曲が流れてくると「あ!次はこの曲を演奏したい」って思うかもね♪

 

4. メールの読み方

 

チャプター4ではメールの出し方を学習したけれど、ここではメールの紹介のしかたを教えるね。

 

番組の中でメールを読むことによって話題がふくらんだり、それに反応して他のリスナーからもさらにメールがきたりする。話し手とリスナーが会話をしているようで、出演者もリスナーも楽しくなり番組が盛り上がる、重要な要素(ようそ)のひとつ。でも、メールに書かれた本名やメールアドレスをうっかり読んでしまって、大きな迷惑をかけることもあるんだ。個人情報(こじんじょうほう)が漏(も)れてしまうと大変なことに発展(はってん)する場合もあるので、注意が必要!

 

ここにメールを紹介するうえでの注意点をまとめたので読んでみてね。

 

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・リスナーの名前はラジオネームで紹介し、本名が書かれていても読まない。

・メールアドレス、ケータイ番号、住所などの個人情報(こじんじょうほう)は、書かれていても読まない。

・他のリスナーが聴いていていやな気持ちになりそうな部分はカットしよう。

・長いメールは要点(ようてん)をまとめて短めに。

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5. 事前準備(じぜんじゅんび)と打ち合わせでゲストとの会話はほぼ完成?!

 

※ゲストの呼び方はチャプター8を参考にしてね。

 

校長室に入ったことはあるかな。広い部屋の中に大きなソファやテーブルがドーンっとあって、床はじゅうたん、かべには今までの校長先生の写真が飾られるなど、慣(な)れない場所にいるだけで緊張(きんちょう)すると思う。さらにもし普段お話をすることのない校長先生と向かい合って会話をするとなったら、頭が真っ白になって何を話していいのかわからなくなったりしそうだよね。

 

スタジオに来たゲストも同じで、普段、目にすることが少ないマイクやヘッドフォン、ミキサーがあるのを見て、知らない場所に来た心細(こころぼそ)さを感じているはず。さらに電波に乗って自分の声が放送される……、となると、「上手くしゃべれるかな?」と心配になって、とっても緊張(きんちょう)してしまう。実はこの心細(こころぼそ)さや緊張(きんちょう)をできるだけ少なくするよう心がければ、ゲストとの会話はスムーズに行くんだ。

 

このような緊張(きんちょう)をほぐすには、話し手がゲストにとって「頼れる人」「仲間」だと思ってもらうことが大事。それにはまず、話し手が事前にゲストのことを知っておくこと。ゲストの人や、放送で紹介するイベントなどのサイトを見ておく、プロフィールやチラシを読んでおく、紹介したい内容を確認、整理しておく、などの方法があるね。そして、ゲストの方がやって来たら、打ち合わせを始める時に「●●をなさっている●●さんですね」と声をかけてみよう。それだけでも、少し安心して、緊張(きんちょう)がほぐれるものなんだ。また、「そのバッグ、ステキですね!青が好きなんですか?」などと身につけているものの話をするのも効果アリ。最初の緊張(きんちょう)がほぐれてきたらさっそく、打ち合わせをしよう!

 

打ち合わせでは以下の内容を確認してね。

 

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(1) ゲストの名前や団体名、イベントの名前 (読み方もきちんと確認しよう)

(2) 期間や日時、場所、問い合わせ先や申し込み先など

(3) 一番、伝えたい内容

(4) その他、時間があれば伝えたい内容を2つ~3つ程度

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お神輿(みこし)をかついている、元気なおじちゃんも「いざ!スタジオ」となると、ビックリするくらい緊張(きんちょう)することだってあるんだ。

 

(1)で、ゲストやイベントなどの名前を確認するのは、間違わないようにするためだけではないんだ。ゲストは自分の名前を言われると「あ、名前で呼んでくれている」と、親しみを感じて安心するもの。ぜひ、名字やニックネームなど「どんな風にお呼びすればいいですか?」と聞いておこう。本番中になじみのある呼び方をされると、ちょっとリラックスしてもらえる効果があるよ。

 

(2)で確認した内容は、大事な情報(じょうほう)なので、できるだけ話し手がきちんと読み上げて紹介するようにしよう。打ち合わせの時に、「こちらでしっかり読んでご紹介しますね」と一言伝えておこう。するとゲストは、「つっかえずに言えるかな?」という心配をしなくてすむので、安心感を持ってもらえる。

 

(3)については、打ち合わせでなるべくたくさんお話ししてもらおう。お話しを聞いていて疑問(ぎもん)があったら質問をして、しっかりメモを取っておけば本番の話題のヒントになる。それに、打ち合わせで会話をしておくことも、ゲストの緊張(きんちょう)をほぐすのに効き目があるよ。

 

(4)の内容は、追加情報(ついかじょうほう)だ。お話ししているうちに、どうしても伝えなくてはいけないことのほかにも話題に出来そうなことが出てくる。それをメモしておこう。本番で時間が余ったり、会話が途切(とぎ)れかけたりした時に、このメモが頼りになるよ。

 

あとは話を聞く順番もある程度決めておけば、ゲストの緊張(きんちょう)は半分くらいなくなっているはず。さあ、さっそく、本番にいってみよう!

 

では、これを「イチゴ狩りをしている農園の紹介」を例に見ていこう。

 

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1.お名前……山田一郎(やまだかずお)さん(ニックネーム:やまさん)

  やまだいちご園

 

2.期間:●月●日まで

  時間:●時〜●時

  問い合わせ先:00−0000−0000

  場所:やまだいちご園

  最寄りの駅から歩いて10分

   →メモ……会場まで砂利道(じゃりみち)なので雨の日は大変かも。

        その際はバスを利用。

        停留所(ていりゅうじょ)は●●

 

3.期間と時間限定の食べ放題1000円!コースやってます!

   →メモ……期間と時間が限定なのはなぜ?

        大人気のコースでたくさんのお客さんに食べてほしいから

   →メモ……子どもは半額。だから、ファミリーが多い。

 

4.イチゴの種類……とちおとめ、あまおう、紅ほっぺ

   →メモ……おススメの種類と、食べ方は?

        あまおう。果実が大きく味が濃いのでそのまま食べる。

   →メモ2……「あまおう」は、「あかい、まるい、おおきい、うまい」の

        頭文字をとって名付けられた。

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イチゴの種類(しゅるい)の情報(じょうほう)って、お客さんの立場で考えるととても大事だよね。

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こんな風に打ち合わせメモを作るといいよ。

 

●本番は、資料や打ち合わせに使ったメモを確認しながら進行しよう

 

ゲストコーナーの最初に、ゲストの名前、目的を紹介しよう。リスナーはゲストのことをまだ知らないので、ちゃんと紹介しないと「この人、誰?」となってしまう。イチゴ狩りの例で言うと、「やまだいちご園のやまだかずおさんです。今日は、イチゴ狩りの情報を教えていただきます。」という風に紹介すればいいね。

 

ゲストは「本番が始まった」ということで、また、緊張(きんちょう)している可能性(かのうせい)がある。もしそれに気づいたら、軽い話題で安心感を取りもどしてもらおう。例えば「やまさん、今日はシャツもいちご色ですね〜。やっぱりピンクがお好きなんですか?」とかね。

 

そしていよいよ一番伝えたい情報(じょうほう)やその他の情報について話し始めたら、打ち合わせで聞いたメモを参考に質問をしてみよう。そうすれば、大事なことを聞き忘れることなく、リスナーにしっかり情報を届けられるよ。

 

締めくくりは、問い合わせ先や日時、場所などを読み上げ、ゲストのお名前をもう一度紹介して締めくくる。「やまだいちご園のやまだかずおさんでした。どうもありがとうございました!」という風に。最後のお礼を言うときは、来てくれたゲストに対して拍手をするような気持ちを込めてみよう。そうすると、「おしまい」という雰囲気(ふんいき)がよく伝わるよ。

 

最後にもう一つ、とても重要なこと!

 

●全体を通しての言葉づかい

 

ラジオは、誰が聴いているかわからない。どんな人が聴いてくれているのかを想像しながら、その人に語りかけるように話すことはとても大事だ。でも、誰に対しても失礼にならないように、目上の人に話しかけているつもりで、ていねいな言葉づかいをする方が好ましいよ。

さあ、頑張ってチャレンジしてみよう!

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お友達の家でパーティーがあったとしたら、どんな情報を集めればいいかな?身近な話題で考えてみるのも練習のひとつ。